思い出日記:「ごめんね にゃんこ ②」


トラとミーが我が家に来て間もなく、家にはワンコも来ました。転校して同じクラスになった友達から「家の犬が赤ちゃんを産んだんだけれど、いらない?」と聞かれ、姉と一緒に両親に「番犬になるし」「散歩も世話も私達でする」と頼みこみ、晴れて、ワンコも家族の一員になりました。

ところが、やってきたのは手のひらに乗るぐらい小さくって、生きていけるのだろうかと不安になる程、小粒のワンコ。まだまだ、長い距離も歩けなくて、すぐにへたばる赤ちゃんワンコでした。姉と相談し、早く大きくなって、強くたくましくなるように「力(りき)」と名づけました。

そのかいあってか、リキは、あれよあれよという間に大きくなり、恐るべき力持ちに・・・。リキは秋田犬。初めて犬を育てた、姉と私は犬がこんなにすぐに成長する生き物だとは知らなかった。小学生のちびっ子飼い主の姉と私は、リキに引きずられて逆に散歩されるようになり、「そんなに名前通りに育たなくても・・・」とちょっと後悔。その後、家にまたワンコがやってくるのですが・・・・。そのワンコの名は・・・。迷わず、「チビ」と名付けました。(「チビ」の話はまた今度)。

リキに引きずられて散歩していた私達を応援(?)するかのように、付いてきたのがトラでした。「猫が犬の散歩にくっついてきている」と近所ではちょっと評判になりました。トラにはリードもつけていなかったのですが、気が向くと、裏山までの散歩コースを最後まで、ちょこちょこ追いかけて来ていました。

が、そんなある日、散歩の途中で、トラの姿が見えなくなって・・・・。


               *

どこに行ってしまったのかと、心配して探す姉と私。日も暮れてくるし迷子になったのかと不安になっていると、空の方から「ブニャーゴ。ベニャーゴ」とトラの声。「は!?」と見上げると、裏山の木(檜?)の天辺てでゆらゆら揺れている物体が・・・。
                

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「ブニャーゴ。ベニャーゴ」。・・・・トラってば何故、そんなところに・・・!?。トラは高いところまで登りすぎて、自力で降りてこられなくなっているようでした。『馬鹿と煙は高い所が好き』という言葉を、『馬鹿と猫は高いところが好き』と間違えて私が覚えたのはこの時です。(大人になるまでこの勘違いは続く)。「馬鹿はどうだか知らないけれど、少なくとも『猫が高いところを好き』なのは合っている」とこの時実感しました。(注:『煙』です)。ま、そんなことはどうでもよくて、トラを助けねば・・・。

何故だか自力で降りられないところまで登ってしまったトラ。ひたすら泣き叫ぶばかりだったのですが、木に登って助けようにも、高すぎるし、天辺すぎて、人間が登るのには無理がある。、虫取り網や近所の子供達を巻き込んで、困難を極めた救出活動・・・。「ぷにゃ~こ・ぺにゃ~こ」とトラの声も力が無くなっていくし・・・。

どっぷり日が暮れてから、トラを助けてくれたのは、父だったのか、従兄だったのか、それともトラが力尽きて落ちてきたのか・・・。私も疲れ果てて、その辺の記憶は曖昧なんですが、とにかく、トラは無事生還。「もう二度と、降りてこられない程高いところに登るんじゃないよ」と、さんざん姉と私はトラをしかりました。

「ブニャーゴ・べニャーゴ」・・・。それから数日後、トラは再び、木の上の猫に・・・・。・・・・・・・・・(声も出ない私と姉)。「『馬鹿と猫は高いところが好き』は両方正しい」(注:『煙』です)と、その時、私は確信しました。

風で大きく木が揺れる夕方、ふと、今も、トラはあの木の天辺で揺れているような気がします。トラは何で、あんなに高いところが好きだったのかな~?。今は、天国で優雅に木の天辺で星空でも見ているかしら? トラは今、その木の下に眠っています。



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